7・09『インターフェア』次の場合は、バッターまたはランナーによるインターフェアとする。
(a)第3ストライクの後、バッターが投球を処理しようとしているキャッチャーを妨げた場合。
「注」
 ①第3ストライクの宣告を受けただけでまだアウトになっていないかまたはフォアボールの宣告を受けて1塁へ進むべきバッターランナーが、3塁からのランナーに対するキャッチャーの守備動作を妨害した場合は、そのバッターランナーをアウトとし、3塁からのランナーは、ピッチャーの投球当時占有していた3塁へ帰らせる。その他の各ランナーも、同様に帰塁させる。
 ②第3ストライクの宣告を受けて6・05(b)または同(c)でアウトになったバッターが、3塁ランナーに対するキャッチャーの守備動作を妨害したときは、7・09(f)によって3塁から走ってきたランナーもアウトにする。
 ③②の場合で、重盗を防ごうとするキャッチャーの守備動作を妨害したときは、その対象となったランナーをアウトにして他のランナーは妨害発生の瞬間にすでに占有していた塁へ帰らせる。 もしも、キャッチャーの守備動作がどのランナーに対してなされたかが明らかでない場合は、本塁に近いランナーをアウトにする。(7・09f「注」参照)
(b)バッターまたはランナーがファウルボールの進路を、どんな方法であろうとも故意に狂わせた場合。(6・05i参照)
(c)無死または1死でランナー3塁のとき、バッターが本塁における野手のプレイを妨げた場合。この場合、ランナーがアウトになるが2死後の場合はバッターがアウトになる。(6・06c、7・08g参照)
「注」本項は7・08(g)と異なる文字を用いているにすぎないから、ただ離塁しているにすぎない3塁ランナーを刺そうとするキャッチャーのプレイをバッターが妨げた場合などには適用されない。
(d)1人または2人以上の攻撃側メンバーがランナーが達しようとする塁に接近して立つか、あるいはその塁の付近に集合して守備側を妨げるか、惑乱させるかことさらに守備を困難にした場合そのランナーは味方のメンバーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとしてアウトを宣告される。
(e)アウトになったばかりのバッターまたはランナーが味方のランナーに対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合はそのランナーは味方のプレーヤーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとして、アウトを宣告される。(6・05m参照)
「原注」バッターまたはランナーがアウトになった後走り続けてもその行為だけでは野手を惑乱したり、邪魔したりまたは遮ったものとはみなされない。
「注」本項を適用するに当たって、2人または3人のランナーがある場合、妨げられた守備動作が直接1ランナーに対して行われようとしていたことが判明しているときはそのランナーをアウトにし、どのランナーに対して守備が行われようとしていたか判定しにくいときは、本塁に最も近いランナーをアウトにする。前項において、1ランナーに対してアウトを宣告したときはボールデッドとなり、他のランナーは守備妨害の行われた瞬間すでに占有していた塁に帰らせる。ただし、打球を直接処理した野手がバッターランナーに対して守備を行わず、他のランナーに対して行おうとした守備が妨害された場合にはそのランナーをアウトにし、その他のランナーはピッチャーの投球当時占有していた塁へ戻らせる。しかしバッターランナーだけは再びバッターボックスに帰せないから1塁の占有を許す。なお、バッターがランナーとなって1塁へ進んだためにランナーに1塁を明け渡す義務が生じたときはそのランナーを2塁へ進ませる。例えば、無死満塁のときバッターがショートゴロして3塁からのランナーがフォースアウトにされ、その際そのランナーがキャッチャーがさらに3塁にボールを送ってダブルプレイを企てようとするのを突き飛ばして妨害したような場合、そのランナーと3塁に向かったランナーとはアウトになるが、バッターに1塁が与えられるので1塁のランナーは2塁に進むことが許されるような場合がそれである。
(f)ランナーが明らかにダブルプレーを行わせまいとして故意に打球を妨げるかまたは打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員はその妨害をしたランナーにアウトを宣告するとともに味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとしてバッターランナーに対してもアウトを宣告する。この場合ボールデッドとなって他のランナーは進塁することも得点することもできない。
(g)バッターランナーが明らかにダブルプレーを行わせまいとして故意に打球を妨げるかまたは打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員はバッターランナーに妨害によるアウトを宣告するとともに、どこかでダブルプレーが行われようとしていたかには関係なく、本塁に最も近いランナーに対してもアウトを宣告する。この場合ボールデッドとなって他のランナーは進塁することはできない。
(h)3塁または1塁のベースコーチがランナーに触れるかまたは支えるかしてランナーの3塁または1塁への帰塁あるいはそれらの離塁を肉体的に援助したと審判員が認めた場合。
(i)ランナー3塁のときベースコーチが自己のボックスを離れて何らかの動作で野手の送球を誘致した場合。
(j)ランナーが打球を処理しようとしている野手を避けなかったかあるいは送球を故意に妨げた場合。ただし、2人以上の野手が接近して打球を処理しようとしており、ランナーがそのうち1人か2人以上の野手に接触したときには、審判員はそれらの野手のうちから本規則の適用を受けるのに最もふさわしい位置にあった野手を1人決定して、その野手に触れた場合に限ってアウトを宣告する。(7・08b参照)
「原注」キャッチャーが打球を処理しようとしているときにキャッチャーと1塁へ向かうバッターランナーとが接触した場合は、守備妨害も走塁妨害もなかったとみなされて何も宣告されない。打球を処理しようとしている野手による走塁妨害は非常に悪質で乱暴な場合にだけ宣告するべきである。例えば打球を処理しようとしているからといってランナーを故意につまずかせるようなことをすれば、オブストラクションが宣告される。キャッチャーが打球を処理しようとしているのに1塁手、ピッチャーが1塁へ向かうバッターランナーを妨害したらオブストラクションが宣告されるべきで、バッターランナーには1塁が与えられる。
(k)野手(ピッチャーを含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域でランナーに触れた場合。
 ただしランナーがフェアボールに触れても、
  (1)一旦内野手(ピッチャーも含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
  (2)1内野手(ピッチャーを除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールにすぐその後方で触れてもこの打球に対して他のいずれの内野手も守備する機会がない場合。
 には、審判員はランナーが打球に触れたからという理由でアウトを宣告してはならない。しかし、内野手が守備する機会を失った打球(内野手に触れたかどうかを問わない)でもランナーが故意にその打球を蹴ったと審判員が認めればそのランナーは妨害(インターフェア)をしたという理由でアウトの宣告を受けなければならない。(5・09f、7・08f参照) インターフェアに対するペナルティランナーはアウトになりボールデッドとなる。